学習塾は少子化で終わり……じゃない!塾業界が衰退しない2つの理由

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学習塾は少子化で終わり……じゃない!塾業界が衰退しない2つの理由

学習塾といえば、「少子化の影響を受けやすい」とイメージする方も多いでしょう。子どもの数が減少すれば、学習塾に対するニーズも衰退の一途をたどる——。確かにこうした考え方をするのが自然です。

しかし、学習塾の市場規模は、衰退するばかりか順調に成長を続けています。子どもを相手にビジネスを行う学習塾ですが、なぜ少子化の影響をあまり受けていないのでしょうか。

今回は、塾業界が衰退しない2つの理由をさまざまなデータを検証しつつお伝えしていきます。

少子化で塾業界は終わり?塾運営を検討する事業者の不安要素

少子化によって市場規模の大幅な縮小が危惧されるのが、塾業界です。子どもの数が少なくなることにより、入塾志望者が減少しビジネス規模縮小という構図は、誰しもがイメージしやすいところでしょう。

事実、足元では、少子化による影響を受けて倒産する学習塾が増えています。

2018年に発生した学習塾の倒産は、過去最多の35件――。帝国データバンクの調査でこんな事実が分かった。
同社の調査担当者は、学習塾の倒産が多発している理由を「同業他社との競争が激化しているほか、少子化が進んでいるためです。人手不足による人件費の高騰や、20年に控える(大学入試制度の変更・小学校でのプログラミング教育必修化などの)教育改革への対応の遅れによって経営・集客が難しくなるケースもあります」と説明する。

引用元:ITメディア

学齢人口である「18歳人口」は、1992年の205万人をピークに減少の一途をたどり、2040年には88万人に至ると、中央教育審議会大学分科会(文部科学省資料)が予測しています。

(出典:文部科学省 18歳人口の減少を踏まえた高等教育機関の規模や地域配置

学習塾の市場は学齢人口に大きな影響を受けるため、こうした少子化の流れは決して良い状態とはいえません。今のところ、学齢人口の減少は大学進学率の上昇によってカバーされてきたものの、2017年にはその進学率も頭打ちになることが予想されています。

学習塾業界は少子化でも伸びつつある

少子化によって学習塾業界全体が衰退していくことが予想されるなか、では実際にマーケットが縮小しているのかといえば、実はそのようなことはありません。むしろ、学習塾業界は少子化でも拡大傾向にあります。

少子化によって学習塾業界全体が衰退していくことが予想されるなか、では実際にマーケットが縮小しているのかといえば、実はそのようなことはありません。むしろ、学習塾業界は少子化でも拡大傾向にあります。

学習塾・予備校の市場規模はプラスに推移

(出典:販促の大学(地域新聞社) 【業界研究】学習塾業界のトレンド情報

少子化によって学齢人口は減少傾向にあるものの、学習塾の市場全体は緩やかに増加しています。やはり子どもの数が減っていることもあり、急激に市場規模が拡大するということはありませんが、堅調な伸びを見せています。

FC学習塾・カルチャースクールの店舗数は拡大傾向

FC(フランチャイズ)学習塾・カルチャースクールは、売上高と店舗数ともに年々増加しています。


2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年
店舗数32,16332,05432,27432,23832,71732,83433,423
売上高(百万円)378,334450,251475,352488,082488,754493,398504,785

日本フランチャイズチェーン協会の統計調査をもとに独自に作成)

FC学習塾を開業することで、容易に社会的なブランド価値を取得することができたり、初期投資額が少なくて済むというメリットがあるため、2011~2013年頃から急速に台頭し始めました。

現在もFC学習塾業界は堅調な伸びを見せており、少子化でも市場が衰退していないことが分かります。

少子化でも塾業界が衰退しない2つの理由

少子化でも塾業界が衰退しないのは、次のような理由があるからです。

  • 消費者のライフスタイルの変化
  • 個別指導塾の主流化

もちろん、少子化による影響がまったくないというわけではありません。しかし、一見すると少子化による影響が強そうな塾業界が堅調ということは、これから塾を開業したいという方にとっては心強いはずです。

上記それぞれの理由については、以下で詳しくお伝えしていきます。

1.教育環境と親の意識の変化

少子化でも塾業界が衰退しない理由に、受験対策の早期化という教育環境の変化が挙げられます。

中学受験に向けた準備の低年齢化が加速している。大手塾「四谷大塚」は11月から、小学校に入学する前の「年長」の幼児を対象にした模試を始め、小学校低学年から受験を目指す塾に通う子どもも増えている。

引用元:朝日新聞

もちろん中学受験を受けない場合でも、親としては高校受験や大学受験に成功して欲しいと考えるのは当然です。そのため、子どもが早い段階から塾に通うことが多くなり、それだけ学習塾に対する需要も高まります。少子化によって一人しか子どもを持たない家庭が増え、子どもに対する教育熱や投資金額が増加していることも見逃せません。

2.個別指導塾の主流化

現在の学習塾は個別指導タイプが主流です。上記のように親の教育感が変化するにともない、学習塾側も「十人十色」から「十人一色」へ、家庭の多様なニーズに対応できるように変わりつつあります。

個別指導塾では、従来の集団指導タイプの塾に比べて、マンツーマンまたは教師1対生徒2~5人ほどで授業を進めていきます。生徒数が少ないので生徒1人あたりの授業料は高額になります。また、多くの生徒に対応するためにはFCによって店舗数を拡大していく必要があるため、ビジネス規模が拡大しやすいということです。

冒頭で紹介した通り、少子化によって塾の倒産数が増えていることは確実です。それにもかかわらず学習塾全体の市場規模が伸びているということは、従来よりも大手の学習塾に売上や資本が集中していることを表します。

【まとめ】少子化でもFC学習塾を開講するメリットは多い

教育環境の変化や一人っ子への教育投資額の拡大などの背景から、たとえ少子化でも学習塾を運営するメリットは多いといえるでしょう。事実、FC学習塾の店舗数や売上は緩やかに増加しています。

ただ、「いきなり学習塾をスタートするのはリスクが高い・怖い」と感じる方も多いのではないでしょうか。そこで、FCによって学習塾を始めるメリットについて、次回の記事でより詳しくお伝えしていきます。

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