成功を掴む個人塾の価格設定のポイント

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成功を掴む個人塾の価格設定のポイント

個人塾を開業する際、価格設定の方法が分からずに悩んでしまう運営者の方も多いのではないでしょうか。個人塾において価格設定は非常に重要なポイントで、月々の授業料次第で生徒数や塾運営の効率性が大きく左右します。

今回は、個人塾で成功するための価格設定のポイントをお伝えしていきます。単に市場価格を参考にするだけでは大きな落とし穴にはまってしまう恐れもあるため、ぜひ最後までご覧ください。

塾の価格設定で他社の相場は参考にならない理由

塾に関わらず、商品やサービスの定価を決めるには他社の価格を参考にすることが基本です。提供するサービスに対して利用者が求める価値とかけ離れる価格を設定してしまうと、まったく売れないということにもなりかねません。

しかし、塾の価格設定に関しては事情が少し異なります。自社のサービス価格を求めるために他社の価格が参考になりづらい特徴を持っています。なぜなら、それぞれの塾によって1コマ辺りの授業時間が異なるからです。

たとえば、月の授業料が1万円の学習塾が2つあったとしましょう。1コマ50分に設定している塾と1コマ90分の塾とでは、利用者が得られる価値は大きく異なることが分かります。そのため、塾の価格設定を行う際は、正しい計算式によって参考価格を求めることが大切です。

個人塾の正しい価格設定の方法

塾の価格設定を行うときは、1分辺りの売上(授業料)を計算するようにしましょう。

【塾の価格設定を行うときの計算方法①】
1コマ辺りの授業時間 × 月間の授業日数 = 月間の授業時間合計
月々の授業料 ÷ 月間の授業時間合計 = 1分辺りの授業料

1分辺りの授業料を求めることで、正確な授業料の相場が分かります。つまり、他社の価格を参考にする場合、1コマ辺りの授業時間の差に影響を受けることなく市場の相場観が算出できるということです。

個別指導を行っている学習塾の場合、1分辺りの授業料の相場は30~50円ほどです。仮に50円に設定した場合、1時間授業を行えば3,000円の売上になることを表します。ここから先ほどの計算式を逆算していくと、月々の授業料を設定することができます。

【塾の価格設定を行うときの計算方法②】
1コマ辺りの授業時間50分 × 月間の授業日数6日 = 月間の授業時間合計300分
1分辺りの授業料50円 × 月間の授業時間合計300分 = 月々の授業料1万5,000円

個人塾の価格を設定する際の注意点

個人塾の価格設定は、上記の計算式に従って他の塾を参考にすれば簡単に設定することができます。しかし、その価格が他の塾運営者にとって最適なものでも、自分が運営する塾にとって適したものとは限りません。そこで、自分が運営する塾に最適化した価格設定を行えるよう、以下の注意点を踏まえて見直しを行う必要があります。

効率性を考えて価格設定を行う

個人塾の価格設定を行う場合は、必ず塾運営の効率性も視野に入れておきましょう。

結論から先に言えば、個人塾の授業料は相場より少し高めに設定しておくことをおすすめします。その理由として、以下の計算式をご覧ください。

  • ①月謝5,000円 × 生徒数100人 = 売上50万円
  • ②月謝1万円 × 生徒数50人 = 売上50万円

上記はいずれも売上が同じです。月謝が安いと生徒数がたくさん集まりやすいため、生徒数の多さで月謝の安さをカバーすることができます。一方、月謝が高いと生徒数が減りますが、生徒数の少なさを高額な月謝でカバーすることが可能です。

一見すると、よりたくさん生徒数が集まる①の方が教えがいもあり、世間に実績をアピールするにもメリットがあるように思えます。

しかし、生徒数が多くなればそれだけ対応や管理に多くの時間を割かなければなりません。②に比べて①の方が、答案用紙を確認する手間が倍になりますし、生徒一人ひとりを個別面談する時間も半分になってしまいます。

講師の数が限られる個人塾の場合、業務の効率性や生徒へのサポート体制を考えると②の方が適していることが分かるはずです。同じ売上目標金額でも、月謝の金額を少し高めに設定しておくことで適切な生徒数に調整することができます。

授業料以外に発生するコストにも意識を向ける

個人塾を運営する場合は、通常の授業以外にも様々なイベントが発生することも珍しくありません。価格設定を行うときは、こうしたイベントに必要な費用のことも加味することが大切です。

たとえば、泊りがけの夏休み合宿や長期休暇中の特別レッスン、季節講習会、定期テスト前特訓などがあります。イベント時は通常の授業より、教材や設備費用などが高額になってしまうこともあるため、通常の月謝代とトータルで考えておく必要があります。

月謝をスムーズに回収できる仕組みも考えておく

月謝の価格設定が完了した後は、料金をスムーズに徴収できる仕組みも考えておきましょう。個人塾の場合は集金袋による現金回収が多いものの、月謝滞納や紛失・盗難のリスクがあることを忘れてはいけません。

月謝の回収方法としては、他にも銀行振替やクレジットカード決済があります。いずれもメリット・デメリットが存在するため、それぞれをよく比較して最適なものを選択してください。「学習塾の月謝を回収するクレジットカード決済よりも確実な方法」の記事にて詳しく解説していますので、ぜひそちらもご確認ください。

【まとめ】塾の強みも意識して価格を設定することが大切

塾の価格設定は、市場価格の1分辺りの授業料を計算することで一つの参考にすることができます。参考にした価格に対して塾の効率性やイベントの費用なども踏まえると、適正な価格体系に近付くことでしょう。

ただ、最も大切なことは、保護者がその価格に価値を感じるかということです。教え方が丁寧で親身になって相談にのってくれるような個人塾であれば、市場価格よりも高めの授業料を払っても良いと考える保護者もいます。そのため、価格設定を行う前に、まずは塾の強みや提供できる価値についてしっかりと考えておくことが重要です。

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